家計消費指数(2人以上世帯)
※資料:総務省統計局「家計消費指数」
- この数字も確認したい!
-
- ▶家計最終消費支出(GDPのうち個人消費)
- ▶民間給与実態統計調査(サラリーマンの平均年収が分かる)
- ▶景気ウォッチャー調査(速報性に優れた街角景気調査)
- ▶家計調査(個人消費を見るための代表的な統計)
家計消費指数の解説
家計調査で起きがちなブレを補正する
個人消費の動向を知るための代表的な統計は「家計調査」になりますが、「家計調査」は全国約8,000世帯しか調査対象となっていません。そのため高額商品の買物が複数世帯でたまたま重なってしまうと、数字が大きく振れる傾向があります。この「たまたま」による数字の振れを最小限に留めて、家計の動向をより正確に把握する統計が「家計消費指数」です。
どのように指数を算出しているかというと、家計調査では捕捉しづらい自動車や家具・家電など購入頻度が低く高額な商品を「家計消費動向調査」(総務省統計局が毎月公表)で補完しています。つまり、家計消費指数は、家計調査と家計消費動向調査を合成してできた統計です。
(下に続く)
物価が上がっても食費は切り詰められない
「家計調査」と「家計消費動向調査」の結果が出てから半月ほど遅れて「家計消費指数」は公表されます。速報性に劣りますが、個人消費のトレンドを過去に遡って見る際は、「家計消費指数」のほうが参考になるでしょう。
2014年4月に消費税率を5%から8%に引き上げられたことや円安進行による物価上昇に伴い、家計消費指数も低迷しています。逆に家計の中で大きなウェイトを占める「食料」の指数は「名目」で上昇しています。全体の支出が低迷している中、食費は上がっているので、食費以外の支出は大きく抑えられていることが伺えます。
ちなみに「実質」を見ると、「食料」の水準は消費増税前と同程度です。これは、食事にかけるお金が増えても(「名目」が上昇していも)、食事の質が上がっているわけではないことを示しています。
食費をこれ以上切り詰めることは難しいので、価格上昇分を仕方なく支払っており、食費がかさんだ分、他で節約するといった家計の構図が見て取れます。
統計プロフィール
- 資料
- 総務省統計局:家計消費指数
- 次回公表日
- 12月分:2018年2月16日
- 統計の作成方法
- 「家計調査」と、購入頻度が低い高額商品の消費動向を調べる「家計消費動向調査」を合成して指数を算出する。2010年=100。
- 公表時期
- 公表頻度は毎月。調査対象月の2ヶ月半後に最新結果を公表している。