鉱工業指数
最新統計
2021年9月【全体】
前月比- 生産
- 89.5 -5.4%
- 出荷
- 86.5 -6.2%
- 在庫
- 98.4 +3.7%
※資料:経済産業省「鉱工業指数」。数値は2015年平均=100の指数で季節調整値
2021年9月【品目別】生産指数増加率上位
前月比 寄与度- 一般用タービン発電機
- 80.9 +809.0% +0.03
- 水管ボイラ
- 188.9 +450.7% +0.28
- 薄型テレビ
- 17.5 +118.8% 0.00
- 金属製管継手
- 153.3 +86.7% +0.09
- 超音波応用装置
- 212.9 +73.2% +0.11
※資料:経済産業省「鉱工業指数」。数値は2015年平均=100の指数で季節調整値
2021年9月【品目別】生産指数増加率下位
前月比寄与度
- 安全ガラス
- 46.5 -47.5% -0.09
- 小型乗用車
- 42.0 -39.9% -0.33
- 放送装置
- 65.9 -39.2% -0.03
- 金属工作専用機
- 47.0 -39.0% -0.03
- カーオーディオ
- 28.1 -38.8% -0.03
※資料:経済産業省「鉱工業指数」。数値は2015年平均=100の指数で季節調整値
鉱工業指数
グラフと内訳表
※資料:経済産業省「鉱工業指数」
鉱工業指数の解説
政府指標で最もイケてないネーミング
「鉱工業」と名乗ったばかりに、重要性が軽視されている大変かわいそうな指標です。
この指標は400品目以上が対象となっており、鉄関係の品目だけ対象にしているわけではありません。指数に与える影響は軽微ですが、ふとん、シャープペンシルなど日常的に馴染みにのあるモノもカバーしています。
鉱工業指数で対象となっているモノは、卸売業や小売業を経由することも少なくなく、こうした関連産業を含めるとGDPの約4割を占めると言われています(経済産業省「鉱工業指数のしくみと見方」参照)。
モノを生産するのは売れているから
ここで言う生産・出荷・在庫は、工場をベースにしています。商品がどれだけ売れるかを予測して、企業は工場で生産する量を決めます。商品が売れていれば、あるいは売れると予想すれば、企業は生産量を増やすので、「生産指数」は上昇します。
つまり、生産指数が上昇傾向にあれば景気は良いわけです。工場で生産したものは、基本的にお店などに出荷されるので、「生産指数」と「出荷指数」の動きは、ほぼ連動します。
「在庫」の増減は、それを予想していたかどうかで判断の仕方が変わります。景気が良いとき、企業は在庫切れをしないように予め在庫を積み増します。これは景気にとって決してネガティブな動きではありません。
在庫が減り、生産・出荷が伸びると景気はイイ
一方で、出荷先のお店から「最近売行きが良くないから、先月よりも発注を抑えるよ」と言われたために在庫が増えるケースがあります。これは予期せぬ在庫の増加になるので景気にマイナスです。
いずれにしても在庫が積み上がると必ずどこかで調整がおきます。在庫指数がピークに達したときは景気のピークと重なります。
鉱工業指数を見る際は、生産・出荷・在庫の3つを同じグラフで見ると景気の動向を読み解くことができます。景気が良くなると、「生産指数」「出荷指数」が上昇し、「在庫指数」が低下します。景気が後退すると逆の動きをして、3つの折れ線グラフが口を大きく開けたような形をつくり出します。
統計プロフィール
- 資料
- 経済産業省:鉱工業指数
- 統計の作成方法
- 全412品目(在庫は292品目)の生産・出荷・在庫状況を2015年=100として指数化。各品目にウエイト付けをしている。品目とウエイトは5年ごとに更新・入れ替えをしている。
- 公表時期
- 毎月末に前月の指数を速報値として公表。翌月中旬に確報値を公表する。