税外収入
最新統計
2019年度【税外収入】
前年比 寄与度- 税外収入
- 7兆4,163億円 +48.5% -
- 外国為替資金特別会計受入金
- 1兆7,893億円 +2.1% +0.75
- 日本銀行納付金
- 1兆2,305億円 +120.7% +13.47
- 日本中央競馬会納付金
- 3,231億円 +4.3% +0.27
※資料:財務省
2019年度【税収】
前年比 寄与度- 税収
- 58兆4,415億円 -3.2% -
- 消費税
- 18兆3,527億円 +3.8% +1.11
- 所得税
- 19兆1,707億円 -3.7% -1.21
- 法人税
- 10兆7,971億円 -12.3% -2.52
- 相続税
- 2兆3,005億円 -1.4% -0.05
- 揮発油税
- 2兆2,808億円 -2.9% -0.11
- 酒税
- 1兆2,473億円 -2.2% -0.05
- たばこ税
- 8,737億円 +1.4% +0.02
※資料:財務省
税外収入
グラフと内訳表
※資料:財務省
税外収入の解説
競馬も財政に貢献
国の収入というと国民が払う税金がすぐに思い浮かびますが、税金以外からも国は収入を得ています。税金以外からの主な収入に、まず納付金があります。
政府は、公共サービスを提供すると同時に、営利事業に近いことも行っています。一番分かりやすいのは日本中央競馬会(JRA)でしょう。JRAを政府の事業というと違和感があるかもしれませんが、政府はJRAに対して全額出資しています。
そのためJRAの儲けは政府に入るわけです。馬券の売上が減って、一時期の半分程度に納付金が落ち込んているものの、JRAは毎年2,000億円以上を政府に納めています。競馬が財政に貢献しているわけです。
日銀保有の国債の利息は国に返納
日本銀行からの納付金も多額です。「日本銀行って何で儲けているの?」と疑問に思うでしょうが、日本銀行は政府が発行している国債を購入しています。
その利息収入が大きく、それが政府の税外収入として還流するわけです。政府の日銀への借金は借金じゃないと言われる所以です。その他、独立行政法人からの納付金もありますが、安定して多額の納付金を納めているのは日銀とJRAになります。
外為特会は政府の財テク
納付金の他に、特別会計からの受入金も税外収入の大きな柱です。その中でも外国為替資金特別会計(外為特会、「がいためとっかい」と言う)からは毎年1兆円以上の受入金があります。外為特会は100兆円以上の外貨証券があり、その運用収入が兆単位の剰余金を生んでいます。
特別会計には、外為特会のように多額の資産があるものが多く、政府が補正予算を組む際に、その財源として特別会計の資産が取り崩されることがよくあります。
いわゆる「霞が関埋蔵金」とは、この特別会計の資産に目をつけたときの言い方で、バランスシートを見て資産超過になっているとき、あるいは資産が過大になっているときに埋蔵金があると言われています。
交通違反金や電波利用料も安定財源
納付金と特別会計に比べて金額は小さくなりますが、懲罰金なども税外収入の一部です。交通違反による罰金などがこれに当たります。テレビや携帯電話会社から徴収する電波利用料も安定収入として税外収入に入っています。
税外収入は、税収のように毎年ほぼ安定して入ってくるお金と、特別会計の資産の取り崩しなどの臨時収入から成り立っています。臨時収入は永遠に続くものではないので当てにできませんが、外為特会で100兆円もの外貨証券を運用しているところを見ると、税外収入が跳ね上がる年がこれからもありそうです。